■写真(1):カラーベストのヒビや欠け
■写真(2):塗膜の剥離
屋根は大変過酷で条件の厳しい所です。冬場の結露の影響により下地合板に大きなダメージを受けます。
カラーベスト屋根の場合、下地合板の傷み具合により塗り替えリフォームが出来るのか、またはカラーベストを捲り傷んだ下地合板の一部を取替え、葺き替え工事するかです。
というのは、カラーベスト自体は素地(スレート)に表面塗装をほどこして防水性能を持たせていますが、厚みが5mmしか無いため表面塗膜の耐久性が落ちる事により、雨水が浸透します。
表面塗膜の耐久性がおちると、防水性能がほとんど無いため、雨水が素地(スレート)に浸透し、凍って膨張する事により写真(1)のようにカラーベストのヒビや欠けの原因になります。
塗装も一つの手段ですが、キッチリとした下地造りや素材に適した塗料を選ばないと写真(2)のように数年で塗膜の剥離などの原因になります。
下地合板が大きなダメージを受けている場合は、その上から新しく塗り替えリフォームが出来ないためカラーベストを降し、葺き替えリフォームしかありません。
このページでは、カラーベストを降し、下地合板の一部を取替え、「横暖ルーフ」での葺き替え工程をご説明いたします。
当社では、標準的な瓦葺き替え工事は以下の5つの工程を行っています。
1、付帯工事 2、木工事 3、板金工事 4、雨樋工事 5、瓦工事
瓦葺き替え工事と言えば皆さん「5の瓦工事」だけだと思っておられると思うのですが、実は「2の木工事」と「3の板金工事」が一番大事なのです。以下一つ一つ順番に説明していきます。
説明1
まず板金を撤去し、カラーベストを止めている釘を抜いていきながらカラーベストを一枚一枚剥がし、下に落とさないように、アップスライダー(リフトつき梯子)で下に降ろしていきます。
説明2
棟の板金を止めている釘がさびて飛び出しているため板金も浮いていました。
説明3
板金を捲ると中の貫板に水がしみ込んで一部は腐朽していました。
説明4
棟からの雨漏りで下地合板も腐朽していました。
説明5
全部の棟の貫板を撤去し集めた写真です。
説明6
カラーベストを捲っていくと、カラーベストの重なり部分に雨水が溜まっていたのがよくわかると思います。
説明7
カラーベストを止めている釘をつたって雨漏りしていました。
説明8
雨漏りしていた箇所です。下地合板が腐朽していました。
説明9
雨が漏って腐朽した所の下地合板を切り取った所です。
説明10
下の軒天の屋根裏側に雨が漏ったあとがあります。
説明11
下地合板を交換しました。
説明12
雨が漏っていた軒天部分です。
説明13
軒天を捲ると雨じみが柱にもつたわっているのがよくわかります。
説明14
軒天を貼り替えて、塗装しました。
説明15
T様邸は2ヶ所雨漏りがあり、1ヶ所は下地合板を腐朽させているだけで、天井裏まで雨水がしみ込んでいませんでした。もう1ヶ所はひどい雨漏りでしたが、軒天部分に雨水が廻っていて2階の部屋には廻っていなかったので、雨漏りに全くきづかなかったそうです。
以上が附帯工事です。
次に2の木工事ですが、横暖ルーフは大判サイズ(長さ3030mm×巾260mm)なので下地を真っすぐにするために胴縁を打って下地調整をいたします。カラーベストは1坪あたり約70kgあるので、長年の間に瓦の重みで屋根全体がどうしても歪んでしまうのでこの下地調整が最も大事な工程です。
説明16
この胴縁で下地調整をすることにより歪んでいた屋根が真っすぐに整った屋根になり、雨を一刻も早く雨樋に落とす事が出来ます。
説明17
見栄えだけで下地調整をするのでは無く、歪んでいる屋根よりも真っすぐに整った屋根のほうが雨水は早く流れ落ちるからです。
説明18
次に胴縁の上に下地合板12mmを打っていきます。そうすると以前の下地合板と新しい下地合板の間に空気層が出来ることにより、夏場は断熱効果が出来、冬場は下地合板を傷める結露の防止にもなります。
説明19
下地合板(12mm)
説明20
次に写真の様に防水シート(アスファルトルーフィング)を張ります。
以上が木工事です。
説明21
軒先に雨が巻き込んで建物に雨が入らないように軒先水切り板金をします。
説明22
また、雨樋の施工方法として、通常軒先にビスで雨樋受けの金具を打ち込んで設置しますが、それだと軒先が傷んでビスが浮き垂れ下がってしまうことがありますが、当社では写真のように吊子式の金具で施工しますので、そのような心配も要りません。
説明23
現状の雨樋は塩ビの為、紫外線などの影響でかなり変形しています。
説明24
今回施工する雨樋はパナソニック電工のシビルスケアPC50。中に金属が入っているので変形しにくい雨樋になっています。
説明25
次に軒先唐草を施工し、瓦の上を流れた雨が全て雨樋に入るようにします。
以上が板金工事と雨樋工事です。
説明26
軒先から平板の横暖ルーフを葺いていきます。
説明27
最後に棟の仕舞をしますが、棟板金を止めるビスはステンレスのスクリュービスを使用します。
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ステンレス スクリュービス
説明29
以上で完成です。
横暖ルーフは、断熱材とガルバリウム鋼鈑が一体成形された瓦です。
説明30
10年のメーカー赤錆保障が出る瓦です。
説明31
カラーベストは1坪あたり約70Kgあります。今回の工事で使用した下地合板は1坪約24Kg、横暖ルーフ1坪約16Kgですので1坪あたり約30Kg屋根を軽く出来ます。
全体では約29坪の屋根でしたので、約870Kg軽量化出来たことになります。